平安貴族の恋愛を調べはじめた頃、多くの人がまず戸惑うことが多いようです。「顔を見ずに恋が始まる?」「紙や香りで相手を判断?」「結婚の証が“餅”?」――まるで物語の世界のようにも見えますが、当時の人びとにとってはこれが“当たり前のルール”でした。ドラマなどで描かれる世界に驚いた経験がある人であれば、共感できる場面かもしれません。 恋はもっと自由で、感情のままに進むものという印象を持たれがちですが、この「ルールに沿って進む恋愛」は、現代の感覚から見ると大きなカルチャーショックを受ける要素があります。しかし、当 ...