「江戸時代は肉食禁止」──歴史の授業でそう習ったはずなのに、文献をのぞくと猪鍋や鹿の味噌漬けが堂々と登場する。このギャップに、思わず首をかしげた経験はありませんか。実際、江戸の人々は“いけないものほど、美味しく感じる”という心理も手伝って、こっそりでも、時に堂々とでも獣肉を楽しんでいました。 とりわけ「ももんじ屋」と呼ばれる獣肉専門店は、両国にずらりと並び、店先には皮をはいだ猪や鹿が吊るされ、強烈な匂いとともに客を誘っていたと言われています。冷蔵技術も血抜きの知識も十分でなかった当時、臭みとの戦いもありな ...