キャンプの快適さは「積み方」で左右されやすくなります
キャンプの準備というと、テントやギア選びに目が向きがちですが、車への積み方が当日の快適さに大きく影響する場合があります。積載を工夫することで、設営や撤収にかかる時間が短縮され、体力的な負担も減らしやすくなります。
「現地で何度も荷物を出し入れする」「必要なものがすぐ見つからない」といったストレスは、出発前の積載設計で軽減できる場合があります。
積載が設営・撤収スピードに与える影響
積載を考えずに詰め込んでしまうと、現地では「奥の荷物を出すために、手前の荷物を全部降ろす」という状況になりがちです。これが積み重なると、設営だけで余計に時間と体力を消耗してしまいます。
一方で、設営の順番を意識して積んでおくと、車から荷物を出す流れがとてもスムーズになります。タープやテーブルを先に取り出し、そのあとテント、最後に細かいギアというように、自然な動線が生まれます。
筆者の失敗談と改善で変わったこと
筆者自身も、キャンプを始めた頃は「とりあえず空いているところに詰め込む」積み方をしていました。その結果、クーラーボックスが一番奥に埋もれ、到着早々に荷室をひっくり返すことも少なくありませんでした。
そこで、重心や取り出す順番を意識して積載を見直したところ、設営・撤収ともに10分以上短縮できるようになりました。積載は特別なテクニックがなくても、考え方を少し変えるだけで大きな差が出ます。
積載の基本原則|まず押さえる3つの考え方

キャンプ道具の積載で迷ったときは、まず3つの基本原則を意識するだけで、失敗しにくくなります。難しいテクニックは不要で、「どう積むか」の考え方を押さえることが大切です。
重心は低く・中央へ集める
特に意識したいのが、重たい荷物は下に、できるだけ車の中央寄りに置くことです。クーラーボックスやコンテナ、焚き火台などは床面に近い位置へ配置しましょう。
重心が高くなると、走行中に荷物が動きやすくなり、急ブレーキ時の危険も増します。安定性を高めるためにも、重いものほど低く・中央に集めるのが基本です。
取り出す順番を逆算する
積載は「出す順番」から考えるのがコツです。キャンプ場に到着して最初に使うのは、タープやテーブルなどのリビング系ギア。そのため、最初に使うものを一番手前・上に積みます。
逆に、寝具や帰宅まで使わないギアは奥や下段へ。設営の流れと逆順で積むことで、現地での出し入れがスムーズになりやすくなります。
面で支え、必ず固定する
荷物を安定させるには、点で支えるのではなく面と面で支える意識が大切です。コンテナ同士を密着させ、隙間ができないように配置すると、走行中のズレを防げます。
さらに、ラチェットベルトやカムバックルベルトで箱ごと固定すると安心です。すべり止めマットを併用すれば、横ズレ防止の効果も高まります。
初心者がやりがちな積載の失敗例

キャンプの積載は、最初のうちはどうしても「やってしまいがちな失敗」があります。事前に知っておくだけで、防げるものばかりなので、自分の積み方と照らし合わせながら確認してみてください。
重いものを上に積んでしまう
スペースを優先するあまり、クーラーボックスや重たいコンテナを上段に置いてしまうケースはよくあります。しかしこれは、積載の中でも特に危険なパターンです。
重い荷物が高い位置にあると、走行中に不安定になり、急ブレーキ時に前方へ飛び出すリスクがあります。重いものは床面近くに置き、できるだけ車の中央に配置するのが基本です。
使う順番を考えずに詰め込む
「とりあえず入ったからOK」と積んでしまうと、現地で必要なものがすぐ取り出せません。結果として、何度も荷物を出し入れすることになり、設営前から疲れてしまいます。
積載は設営の流れをイメージしながら順番を決めるのが基本です。最初に使うギアほど手前・上に積むことで、無駄な動きが減ります。
固定不足で走行中に崩れる
荷物同士を置いているだけでは、走行中の振動やカーブで少しずつズレてしまいます。特に高速道路や山道では、想像以上に荷物は動きます。
ラチェットベルトやカムバックルベルトを使い、荷物全体をまとめて固定することで安定感が大きく向上します。すべり止めマットを敷くだけでも、崩れにくさはかなり変わります。
積載準備のステップ|出発前にやるべきこと

スムーズな積載は、実は車に積む前の準備でほぼ決まります。出発前に少し手間をかけておくだけで、現地での混乱や無駄な動きが大きく減ります。
ジャンル別コンテナ分けの基本
キャンプ道具は、用途ごとにコンテナを分けておくのが基本です。おすすめは、キッチン・火器・リビング・寝具・衛生の5ジャンル分け。この形にしておくと、設営中に「どの箱を開ければいいか」で迷いません。
加えて、濡れ物や汚れ物を入れるウェットボックスを1つ用意しておくと、撤収時に非常に便利です。ほかの荷物を汚さずにまとめられます。
設営動線から逆算した積み込み順
積み込みは、設営の流れと逆順で行うとスムーズになりやすいです。キャンプ場に到着して最初に使うタープやテーブルは、最後に積み込み、取り出しやすい位置へ配置します。
次にテントや寝具、最後に帰宅まで使わないギアという順番を意識することで、「必要なものを探す時間」や「余計な積み下ろし」を大幅に減らせます。
忘れ物を防ぐ最終チェック
積み込みが終わったら、必ず最終チェックを行いましょう。特に、ガス缶・ペグ・ランタンの電池などは、忘れると現地で代替が効きにくいアイテムです。
チェックリストをスマホや紙で用意しておくと、毎回の準備が楽になります。「積み終わったら確認する」を習慣にすることで、忘れ物のリスクが下がりやすくなります。
クルマ別レイアウトの考え方

積載方法は、キャンプスタイルだけでなくクルマの形状によっても最適解が変わります。ここでは代表的な車種別に、押さえておきたい積載の考え方を紹介します。
ミニバンの場合
ミニバンは荷室が広く、高さもあるため、キャンプ道具を積みやすい車種です。3列目シートを畳んで床をフラットにし、重いギアを中央・下層に集めるのが基本になります。
スペースに余裕がある分、油断すると荷物が動きやすくなるため、ベルト固定は必須です。上下2段構成の棚を使うと、設営順に取り出しやすくなります。
SUV・軽バンの場合
SUVや軽バンは、奥行きはあるものの高さが限られるケースが多いのが特徴です。そのため、デッドスペースをどう使うかがポイントになります。
天井ネットやサイドネットを活用して、軽量なギアを上部に配置すると床面を広く使えます。重たいギアは無理に積み上げず、床面で安定させる意識が大切です。
セダンの場合
セダンは荷室が独立しているため、箱の組み合わせで面を作る積載が重要になります。コンテナやクーラーボックスを組み合わせ、隙間が出ないように配置しましょう。
テントやポールなどの長物は、後席スルーを使うことで安定して積載できます。高さに制限がある分、「積みすぎない・詰め込みすぎない」ことも安全面では重要です。
ギア別パッキングのポイント

積載を安定させるには、「どこに置くか」だけでなくギアごとの特性を理解することが大切です。ここでは、代表的なキャンプ道具別に、積み方のポイントをまとめます。
テント・タープなどの長物
テントやタープ、ポール類は長さがあるため、横向きに無理やり積むと荷崩れの原因になります。できるだけ車幅の中央寄りに配置し、左右どちらかに偏らないよう注意しましょう。
床面に沿わせて置くか、棚の下段に通すように積むと安定します。上に重い荷物を載せないことも重要なポイントです。
クーラーボックス・燃料系ギア
クーラーボックスは重量があり、中身が動きやすいため、床面中央でしっかり固定するのが基本です。直射日光を避けるため、壁際に密着させすぎず、少し余白を持たせると保冷力も保ちやすくなります。
ガス缶や燃料、焚き火台などは同じコンテナにまとめ、倒れないよう立てて収納しましょう。走行中の振動でぶつからないよう、隙間にはタオルなどを詰めると安心です。
ランタン・寝具・小物類
ランタンは横倒しにせず、できるだけ立てた状態で収納します。割れやすいグローブ付きのものは、ケースやクッション材で保護しましょう。
寝袋やマットなどの寝具は圧縮袋を使い、壁面や隙間に寄せて配置すると安定します。細かい小物は用途別にポーチやケースにまとめておくと、積載時も設営時も迷いません。
我が家の車載レイアウト実例(イレクターパイプ棚)

ここでは、筆者が実際に使っているイレクターパイプ棚を使った車載レイアウトを紹介します。市販品ではなく自作ですが、考え方自体はどんな車にも応用できます。
二層棚レイアウトの全体像
ラゲッジスペースにイレクターパイプで上下2段の棚を組み、空間を縦に分けて使っています。天板には厚さ1.8cmの木製ボード(約500×700mm)を使用し、重たいギアを載せてもたわまない強度を確保しています。
上下に分けることで、積載量を増やしつつ、取り出しやすさも向上しました。
下段の積載例とメリット
下段にはキャリーワゴン、テント、サンシェードなどの大型かつ重量のあるギアを配置しています。重心を低く保てるため、走行中の安定感が高まります。
床面にはシートを敷いているので、多少濡れたギアを載せても掃除がしやすく、撤収時のストレスも少なくなりました。
上段の積載例と安定させる工夫
上段には、キッチン系やリビング系の比較的軽いコンテナ類を配置しています。棚板の上にはすべり止めマットを敷き、走行中の横ズレを防止しています。
設営順に取り出せるよう、よく使うコンテナほど手前に配置しているのもポイントです。
自作棚のポイントと注意点
イレクターパイプはカット寸法を自由に調整でき、後から段数を増やすこともできます。補強ジョイントを使うことで、走行中のガタつきも抑えられます。
注意点として、棚本体と荷物は必ずベルトで車体側に固定してください。急ブレーキ時の前進を防ぐためにも、安全対策は必須です。
設営動線から考える積載レイアウト

積載レイアウトを考えるときは、キャンプ場に到着してからの動き(動線)を意識することがとても重要です。動線を考えずに積むと、設営中に無駄な移動や積み直しが発生してしまいます。
到着後すぐ使うギアの配置
キャンプ場に着いて最初に使うのは、タープやテーブルなどのリビング系ギアです。そのため、これらは車の後方・手前側に積んでおくのが理想です。
車から降ろしたら、そのままリビングスペースを作れる位置に置けるようにしておくと、設営の流れがとてもスムーズになります。
移動距離を減らす積み方
積載時に「どこに置くか」を意識するだけで、設営中の移動距離は大きく変わります。たとえば、キッチン系のコンテナはテーブルを置く予定の側にまとめて積んでおくと、設営後すぐに使えます。
設営順に沿った配置をしておくことで、荷下ろし時の移動距離を半分以下に減らすことも可能です。体力を温存できるので、特にファミリーキャンプでは大きなメリットになります。
雨天・撤収時でも困らない積載テクニック

キャンプで意外と大変なのが、雨の日や撤収時の積載です。事前に少し工夫しておくだけで、車内の汚れや帰宅後の後片付けを大幅に減らせます。
濡れ物を分ける基本ルール
雨天撤収では、濡れたテントやタープを他の荷物と一緒に積まないことが基本です。防水トートや大型の防水バッグを1つ用意し、濡れ物専用として使いましょう。
撤収順に濡れたギアをまとめて入れるだけで、車内や他のキャンプ道具を汚さずに済みます。帰宅後も、そのままベランダや浴室で干せるので便利です。
車内を汚さない工夫
ラゲッジスペースには、あらかじめブルーシートや防水シートを敷いておくと安心です。半分に折って敷いておけば、状況に応じて濡れ物を包むこともできます。
「濡れたらどうするか」を想定して積載しておくことで、雨の日でも慌てずに撤収できます。帰宅後の掃除や乾燥作業を楽にするためにも、雨天対策は積載設計の一部として考えておきましょう。
安全に積むための注意点とNG例

キャンプ道具の積載は、快適さだけでなく安全性にも直結します。特にファミリーキャンプでは、万が一の急ブレーキや事故を想定した積み方が欠かせません。
急ブレーキ時に危険な積み方
固定されていない荷物は、急ブレーキ時に想像以上の勢いで前方へ移動します。特に、重たいコンテナやクーラーボックスを固定せずに積むのは非常に危険です。
荷物は「動かない前提」ではなく、「必ず動こうとするもの」と考えて固定しましょう。ラチェットベルトで車体側に固定することで、前進・横ズレを防げます。
視界・シートベルトを妨げない工夫
荷物を高く積みすぎると、ルームミラーの視界を遮ったり、後席のシートベルト動線を妨げたりすることがあります。これは運転時の安全性を大きく下げる要因です。
積載時は、運転席からの後方視界を必ず確認し、人の安全を最優先にレイアウトを調整しましょう。必要であれば、積載量を減らす判断も大切です。
まずはこれでOK|初心者向け積載テンプレート

「理屈は分かったけど、実際どう積めばいいの?」という方のために、まずはこの形を真似すればOKという積載テンプレートを紹介します。細かい調整は、慣れてからで問題ありません。
最低限そろえたい積載ルール
初心者のうちは、次のポイントだけ意識すれば十分です。
- 重いものは下・中央に置く
- 最初に使うものは手前・上に積む
- 箱同士は隙間なく並べる
- ベルトで全体を固定する
この4点を守るだけでも、積載の安定感と設営スピードは大きく変わります。
棚がない場合の積み方例
棚がない場合でも、コンテナやクーラーボックスを使って簡易的な「段」を作ることができます。床面に重たいギアを並べ、その上に軽いコンテナを載せるイメージです。
段差ができる場合は、タオルやマットを挟んで高さを揃えると安定します。無理に高く積まず、「低く・広く」を意識すると失敗しにくくなります。
車載・積載でよくある質問(Q&A)

最後に、キャンプの車載・積載についてよく聞かれる質問をQ&A形式でまとめました。積載に自信がない方は、ここをチェックして不安を解消しておきましょう。
棚は必須?なくても大丈夫?
棚は必須ではありません。コンテナやクーラーボックスを組み合わせることで、棚がなくても十分に安定した積載は可能です。
ただし、積載量を増やしたい場合や、取り出しやすさを重視したい場合は、棚があると便利です。まずは棚なしで基本を身につけ、必要性を感じたら導入を検討するのがおすすめです。
軽自動車でもファミリーキャンプはできる?
可能ですが、装備を絞る工夫が必要になります。大型ギアを減らし、コンパクトなテントや調理器具を選ぶことで、積載量を抑えられます。
「全部持っていく」のではなく「本当に使うものだけ」に厳選することが、軽自動車キャンプ成功のポイントです。
積載量の目安はどれくらい?
車種や装備によって異なりますが、目安としては荷室に余裕が少し残る程度が理想です。ギチギチに詰め込むと、荷崩れや安全面のリスクが高まります。
走行前に荷物を揺すってみて、動くものがあれば固定を追加する、もしくは積載量を見直しましょう。
まとめ|積載はキャンプ設営の前工程

キャンプの積載は、単なる「荷物を運ぶ作業」ではありません。現地設営をスムーズに進めるための前工程と考えることで、キャンプ全体の快適さが大きく変わります。
今日から意識したい3つのポイント
積載を見直すうえで、特に大切なのは次の3点です。
- 重心は低く・中央に集める
- 使う順番を逆算して積む
- 撤収時の戻しやすさまで考える
この基本を押さえることで、設営や撤収のストレスを減らしやすくなります。
自分の車に合った最適解を作ろう
積載に「絶対の正解」があるとは限りません。車種やキャンプスタイル、持っているギアによって、最適なレイアウトは変わります。
大切なのは、自分の車と使い方に合った積載スタイルを少しずつ作っていくことです。今回紹介した考え方をベースに、試しながら調整してみてください。
次のキャンプでは、「降ろす順」「使う順」に沿った積載設計で、設営のストレスを一つ減らしてみましょう。